腰痛からの復帰

腰痛からの復帰

Recovery from Back Pain

Research Note

画像診断で「ヘルニア」と言われたら終わりなのか?

腰痛で病院に行き、レントゲンやMRIを撮った結果「ヘルニアですね」と言われる。 多くの人がここで「もう治らないのか」「手術しかないのか」と絶望感を感じるのではないでしょうか。 実際、僕自身も学生時代に初めてそう診断された時は、目の前が真っ暗になったのを覚えています。 しかし、本当にヘルニア=終わりなのでしょうか?

なぜ起きるのか

【研究】 最新の疼痛科学や整形外科学の研究では、「画像診断上の異常(椎間板ヘルニアや狭窄など)と、実際の痛みの強さは必ずしも一致しない」という報告が数多くあります。 例えば、全く腰痛がない健康な人を対象にMRIを撮った研究では、年齢が上がるにつれて高い確率でヘルニアや椎間板の変性が「無症状で」見つかっています。 つまり、「ヘルニアがある=痛い」という単純な構造ではない、ということです。もちろん、明らかな神経圧迫により排尿障害や激しい麻痺が出ている場合は緊急を要しますが、多くの場合は保存療法(手術をしない方法)で改善していくことが分かっています。

僕の仮説・現場感

【僕の仮説】 トレーナーとして現場で多くの方の身体を見ていると、「ヘルニアだから痛い」というより、「ヘルニアになるような身体の偏った使い方をしているから痛い」と感じることが多いです。 例えば、股関節が硬いために、本来なら曲がってはいけない腰椎(腰の骨)ばかりが過剰に曲がり、結果として椎間板に負担がかかっているケースです。 画像に写っている「飛び出した椎間板」は、あくまで「結果」であり、「原因」は日々の動き方の中にあるのかもしれません。 そして、飛び出したヘルニア(髄核)は、人間の持つ自然免疫によって時間をかけて吸収され、小さくなっていくことも多いのです。

今日試せること

「画像に異常があった」という事実を恐れすぎず、まずは今の身体の機能を少しずつ取り戻していくことが大切だと思っています。

□ 呼吸 まずは仰向けになり、ゆっくりと腹式呼吸をしてみましょう。恐怖や不安で浅くなった呼吸を深めることで、過敏になっている神経を落ち着かせます。

□ 動作 痛みのない範囲で、股関節や胸椎(背中)を動かす軽いストレッチをしてみましょう。腰以外の関節がスムーズに動くようになれば、腰への負担は自然と減っていきます。

□ 意識 「自分はヘルニア持ちだ」というレッテルを貼りすぎないこと。人間の身体には素晴らしい回復力が備わっていると信じてみてください。

まとめ

腰痛の原因は非常に複雑で、画像一枚ですべてが語れるわけではありません。 もちろん、痛みが強い時期は無理をしてはいけませんし、医師の指示を仰ぐことは大前提です。 しかし、「ヘルニア=一生の付き合い」と過度に絶望し、動くことを恐れすぎなくてもいいと思っています。 まずは自分の身体の「今動かせる部分」に目を向けて、少しずつ探究していきましょう。